平成27年第3回定例会 代表質問

自民党神奈川県議団の加藤元弥です。
会派を代表し、通告に従い、順次質問させていただきます。
知事、きょうは落ち着いてゆっくりと。教育長、テンポよく元気によろしくお願いいたします。明快なご答弁を。また、議員の皆様には、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。


教育と子ども・青少年を巡る諸課題について

初めに、教育をめぐる諸課題について、2点伺います。

県立学校の今後の老朽化対策について

新聞報道によると、会計検査院が公立小中学校の消防点検の状況を調査したところ、本県を含む20府県の3,000校余りで、消防設備の劣化や一部の自動火災報知機が動かないなどの問題が見つかったにもかかわらず、修繕や交換をしていない事例があったとのことであります。

また、建築基準法に基づく施設点検についても、45の市町村では点検が適切に実施されておらず、施設点検で見つかった問題箇所についても、192の市町村の約2,000校で修繕などを実施していなかったとのことであります。

本県の県立学校では、消防点検、建築設備点検とも法令に基づき適切に実施され、こうした点検により指摘されたふぐあいの箇所については、日常の維持修繕の中で、緊急度に応じて個別に修繕を実施していると伺っています。

しかし、例えば、マンションなどでは、10年から15年を周期として大規模な修繕を行うのが一般的であります。

一方で、県立学校では、一部を除き、こうした大規模修繕は実施されておらず、特に県立高校は、高校100校建設計画、いわゆる100校計画で建設された学校が多いことから、屋根、外壁、トイレ、給排水管など施設全体の老朽化も相当に進んでいるものと思われます。

このような状況を踏まえると、現状と同様の対応では、建築設備点検で指摘されるふぐあいの箇所が今後増加する一方なのではないかと危惧しています。

現在、県立学校の施設整備に関しては、「まなびや計画」により、大規模補強が必要な県立高校の校舎の耐震化や特別支援学校の整備に重点的に取り組んでいることは承知しています。

耐震化や特別支援学校の整備は重要な課題でありますが、建物の施設や設備を適切に管理し、児童・生徒が安心して授業等を受けられる教育環境をしっかりと整備していくことが、施設管理者である本県に求められていると思います。

施設の現状を踏まえた上で、中長期を見据えた老朽化対策を今後実施していく必要があると思いますが、県立学校における建築設備等の老朽化に対して、今後どのように対策を進めていこうとしているのか、教育長の見解を伺います。

【教育長答弁】県教育委員会では、児童・生徒にとって安全で快適な教育環境の整備を進めていくことが大変重要と認識しております。こうしたことから、まなびや計画により、大規模補強が必要な校舎等の耐震化に重点的に取り組んできたところです。   しかしながら、大規模補強の耐震化が完了した後も、小規模補強が必要な校舎など約200棟の耐震化が必要と見込まれています。   一方で、県立高校はその8割以上が建築後30年以上経過しており、耐震化のみならず、施設全体の老朽化も大きな課題です。   現在、こうした施設の老朽化に対しては、耐震化工事とあわせて対策を実施しているほか、ふぐあいが生じた都度、個別的、緊急的に修繕する方法で対応しています。   しかし、今後、老朽化の度合いがさらに進んでいくことを考えますと、こうした対応だけでなく、施設全体をリフレッシュして、その長寿命化を図る対策が必要です。   そこで、現在、まなびや計画の進捗状況を踏まえつつ、県立高校改革との整合を図りながら、県立学校の耐震化及び老朽化対策を総合的に推進するための新たな計画を早期に策定して老朽化対策を進めてまいります。

選挙権年齢の引き下げに伴う教員研修について

公職選挙法等の一部を改正する法律により、選挙権年齢がこれまでの満20歳以上から満18歳以上に引き下げられました。実に70年ぶりとなるこの歴史的な制度改革によって、来年夏の参議院議員選挙が実施される際には、現在の高校3年生の生徒と、現在の高校2年生の一部の生徒が、未来の日本を切り開く一票を投じることになります。

また、今回の選挙権年齢引き下げの動きを背景として、次期学習指導要領に、高校の公民科において、政治参加意識を育み、規範意識や社会制度などを学ぶ必修科目、公共を新設することも検討されています。

県立高校においては、これまでも先進的にシチズンシップ教育の取り組みを推進し、その柱の一つとして、これまでに2回、全校での模擬投票を実施するなど、政治参加教育に意欲的に取り組んできたことは承知しています。

しかし、今回の、いわゆる18歳選挙権の実現によって、政治参加教育の重要性は一層高まっていると思います。

そこで、これまでの成果を踏まえ、各校がこれまで以上に積極的に政治参加教育の取り組みを進め、未来の日本を担う若者たちの政治参加意識を高め、選挙の際には必ず投票に行こうという気持ちを持たせていくことが重要であると考えます。

このような中、今後、満18歳になり有権者となる高校生が、選挙運動や政治活動に参加することが可能になりますが、知識が足りないままで、そうした活動を行った結果、法律に抵触してしまうということも考えられます。高校生にはしっかりと正しい知識を身につけさせ、間違いを起こさせないようにすることも必要です。

このようなことから、何よりも生徒を指導する教員が、政治参加教育の実践力を高めていかなければなりません。また、その一方、取り組みを進める上で、教員が授業の中で、ある事柄について一面的な見解を取り上げるようなことは、決してあってはならないことであり、生徒を指導する教員の政治的中立性を確保していくことが重要であると考えます。

選挙権年齢の引き下げを受け、指導する教員の政治的中立性の確保を図り、政治参加教育の充実につながる教員研修について、今後どのように取り組んでいくのか、教育長の見解を伺います。

【教育長答弁】選挙権年齢が引き下げられたことにより、来年夏の参議院議員通常選挙から、高校生を含めた18歳以上の若者が実際の選挙に臨むことになります。   こうした中、国では、この9月末に生徒向け副教材、私たちが拓く日本の未来を公表し、先月17日から全国の高校への配付を開始しました。   県教育委員会では、既に9月に独自の教員向け指導用資料を配付しておりますが、あわせてこの国の副教材も有効に活用して政治参加教育が実施できるよう、先月12日に全県立高校のシチズンシップ教育担当教員を集めた研修会を実施しました。   この研修会では、公表された副教材の内容を踏まえ、生徒に政治参加の意義や選挙の仕組み等について理解させる授業の実践事例を取り上げたほか、教員が個人的な主義主張を述べないことなど、その政治的中立性の確保についても指導をしたところです。   県立高校では、来年度の参議院議員通常選挙にあわせて、全校で模擬投票を実施する予定ですが、その際にも、県教育委員会として事前研修会を開催し、改めて教員の政治的中立性の確保について指導してまいります。   具体的には、例えば、生徒に政治的課題を考えさせる資料として新聞を活用する場合には、1紙のみを使用するのではなく、多様な見解を紹介するため、複数の新聞等を用いるなど、扱う教材に偏りがないよう指導を徹底していきます。   さらに、来年度から、経験の浅い教員を対象とした初任者及び5年経験者研修などにおいて、政治的中立性の確保と政治参加教育の指導力を高めるための研修を実施してまいります。

子ども・青少年を巡る諸課題について

子ども・青少年を巡る諸課題について、2点伺います。

1点目は、子どもの貧困対策の推進についてであります。

県では、既に「神奈川県子どもの貧困対策推進計画」を策定し、子供の貧困対策は総合的な取り組みが必要であるとして、本年6月に全庁的な推進体制を整備し、取り組みを進めていると伺っております。

しかし、この計画においては、県内の子供の貧困状態をつかみ切れていないとして、明確な数値目標を定めるかわりに指標を設定するにとどまっています。このため、我が会派は、第2回定例会の代表質問で取り上げ、本県の子供の貧困の現状と必要な支援策をどのように把握し、今後、子供の貧困対策をどのように進めていくのかとの質問をさせていただきました。

これに対して、知事は、この計画を着実に推進していくために、県内の貧困の状況にある子供の実情や求められる支援策を丁寧に把握し、取り組みに生かしていく必要があると考えているとともに、特に生活困窮のおそれが高いひとり親世帯の現状やニーズを把握するため、児童扶養手当の受給者を対象にしたアンケート調査を8月に実施すると答弁されました。

このアンケート調査の実施結果については、現在、取りまとめ中とのことですが、ひとり親家庭が置かれている生活の状況が徐々に見えてきているものと思います。

このような調査は余り例がなく、また、その調査結果には、児童扶養手当を受給しているひとり親家庭の切実な声や現状が詰まっており、今後の県の子供の貧困対策を考える上で、非常に貴重なデータとなるのではないかと考えます。

よって、この調査結果をしっかりと分析するとともに、市町村とも共有し、支援を必要とする子供たちに的確に施策を実施していくことが極めて重要であります。

ひとり親家庭へのアンケート調査の結果を踏まえ、今後、子供の貧困対策をどのように進めようと考えているのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】 県では本年3月に、県子どもの貧困対策推進計画を策定して、全庁的な取り組みを進めており、特に5割以上が貧困状態にある、ひとり親家庭の支援に重点的に取り組んでいます。   そこで、ひとり親家庭の現状やニーズを把握するため、全国の自治体に先駆けて、本年8月、県内全体のひとり親家庭を対象とした、子供の貧困に関するアンケート調査を実施いたしました。このたび、アンケートの結果を速報としてまとめたところです。   その結果では、回答者651人のうち、9割以上の方が働いているが、その約半数はパート、アルバイトなど非正規の形態で働いていること、7割以上の方が毎月の就労収入が20万円未満であること、また、経済的な理由から、過去1年間に公共料金の支払いができなかったことがある方が約3割、旅行や帰省などの外泊を見合わせたことがある方が約8割いるなど、本県のひとり親家庭が置かれた厳しい現状が明らかになりました。   さらに、行政に求めることとしては、児童扶養手当などの現金給付の拡充が最も多く、自由意見としては、情報提供の充実や子供の居場所づくりを求める声が寄せられました。   今後、この調査結果を踏まえ、県として、情報提供の充実や、夜間に保護者が不在となる家庭の子供の居場所づくりなどの施策を検討していきたいと考えています。   加えて、夏のハイスクール議会で提案があった子供対策本部も設置することにいたします。   また、子供の貧困対策は児童扶養手当など国の制度にかかわるものが多いため、国に対して、ひとり親家庭の現状や生の声を伝え、具体的な取り組みの提案を行っていきます。   さらに、支援が必要な家庭に無料で食品を届けるフードバンク事業など、民間の取り組みも広がり始めましたので、県はこうした取り組みの紹介や活動に対する寄附の呼びかけを行っていきます。   このようなさまざまな取り組みを通じて、引き続き市町村とも連携して、子供の貧困対策にしっかりと取り組んでまいります。
質問の2点目は、「かながわ青少年育成・支援指針」の改定についてであります。

青少年は今をともに生きるかけがえのない存在であるとともに、私たちの未来そのもの、私たちの社会の将来に大きくかかわる希望であります。青少年が健やかに成長し、将来に対して夢や希望を持ち、幸せに暮らせるよう支援し、環境を整備することは、県政の最重要課題の一つであります。

しかし、現在の青少年が置かれている状況は大変厳しいものとなっています。いじめ、児童虐待、子供や若者の自殺などの問題が深刻化し、青少年の心と命が危機的な状況にあると思います。

県では、平成17年3月にかながわ青少年育成指針を策定し、青少年の課題に対し、社会全体で青少年を育成し、自立を支援していくため、さまざまな施策を進めてきました。

その後、ひきこもりやニートなど、社会生活を円滑に営む上で困難を有する若者の社会参加が新たな課題となる中、国において、平成22年4月に子ども・若者育成支援推進法が施行され、県もこの法に基づき指針を改定し、社会状況の変化に応じて取り組みを進めてきたところであります。

しかし、子供・青少年を取り巻く状況は刻々と変わっており、地域社会のつながりが希薄になっていることや、外で遊ぶ子供たちの姿を目にする機会が減るという傾向は、ますます強くなっていると感じています。

最近では、子供たちへのスマートフォンの普及が急速に進み、大人が気づかない閉ざされた子供たちの世界が広がりつつあります。

こうした中で、本年2月に、川崎市で、中学校1年生の生徒が殺害された大変痛ましい事件がありました。青少年にとって安全・安心な地域社会づくりに向け、私たちがどのように受けとめ、そして、私たち大人と青少年とがどのようにともに取り組んでいくのか、新たな課題が突きつけられていると思います。

今年度、県では、かながわ青少年育成・支援指針の改定に向け、検討しているとのことですが、その中で、現行の指針による成果を踏まえ、青少年を取り巻く状況の変化を反映することで、青少年施策をしっかりと進めることが重要であります。

青少年が抱えている課題に対して、どのような視点から、かながわ青少年育成・支援指針の改定を進めていくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】県では、青少年の育成と自立への支援を進めていくため、県民との共通の道しるべとして、かながわ青少年育成・支援指針を定め、家庭や学校、地域と行政が一体となって取り組みを進めています。   現行の指針が施行されてから5年が経過し、少子・高齢化や情報化の進展など、青少年を取り巻く環境が大きく変化する中で、さまざまな課題が生じています。   具体的には、まず、子供たちが集団遊びなどの体験を通じて豊かな人間性や社会性を身につける機会が失われています。また、ひきこもりやニート、児童虐待、子供の貧困など、困難を抱える青少年の問題は複雑に絡み合い、深刻さを増しています。   さらに、本年2月、川崎市で中学1年生が殺害された事件などで、家庭や学校に行き場を失った子供たちの居場所がないことや、SNSによって子供たちの関係が見えづらくなっていることなどが課題として浮かび上がってきています。   こうした課題に対し、県児童福祉審議会や県青少年問題協議会の議論の中で、子供たちの遊びを通して成長と自立を支援する、困難を抱える青少年一人一人に寄り添った支援を充実する、子供たちの居場所や見守り活動など、安全・安心な環境づくりに取り組むといった視点からの施策展開が重要との意見をいただいています。   こうした視点から、現行のかながわ青少年育成・支援指針を改定することとし、現在目標とする社会の姿やその実現に向けた施策体系を整理しています。   今後、改定素案がまとまり次第、パブリックコメントなど広く県民の意見を伺い、今年度中に新たな指針を策定し、青少年の健全育成や自立支援にしっかりと取り組んでまいります。

再質問

それでは、2点再質問をさせていただきます。

1点目は、県立学校の今後の老朽化対策についてです。

先ほど、県立学校の今後の老朽化対策について、教育長から前向きなご答弁をいただきました。

生徒、保護者から、中でも学校のトイレについて、暗い、汚い、臭いなどといったご意見、施設改善の声が多く寄せられております。また、県立高校については、いまだに和式便器が多いようで、一般家庭のほとんどのトイレが洋式化している中で、現代の生活様式にも適合していないのではないかと思うところであります。

一日の多くの時間を学校で過ごす思春期の生徒に対して、快適な教育環境を確保していくために、こうした学校のトイレの改善が必要であると思いますが、今後の老朽化対策の中でどのように取り組んでいこうとしているのか、見解を伺います。

【教育長答弁】子供の貧困対策の取り組みとして、厳しい状況にある一人一人の子供への学習支援、また家庭からの相談など、個別の支援というものは、地域に密着した市町村が大きな役割を担っています。   一方、今回のアンケート調査のように、県内の子供や家庭の状況を把握して市町村に情報提供すること、また、市町村の取り組みを集約して県民に届けること、これは広域自治体である県の役割だと考えています。   そこで、この11月に子供の貧困に関する県市町村連絡会議を設置いたしました。今後この会議の場で必要な情報交換を行いながら、市町村と連携して子供の貧困対策に取り組んでまいります。

2点目は、子供の貧困対策についてです。

子供の貧困対策は、生活に直結する住民サービスの多くを担っている市町村の役割が非常に大きいと考えます。先ほど市町村と連携をしていくという答弁がありましたが、具体的にどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

【知事答弁】子供の貧困対策の取り組みとして、厳しい状況にある一人一人の子供への学習支援、また家庭からの相談など、個別の支援というものは、地域に密着した市町村が大きな役割を担っています。   一方、今回のアンケート調査のように、県内の子供や家庭の状況を把握して市町村に情報提供すること、また、市町村の取り組みを集約して県民に届けること、これは広域自治体である県の役割だと考えています。   そこで、この11月に子供の貧困に関する県市町村連絡会議を設置いたしました。今後この会議の場で必要な情報交換を行いながら、市町村と連携して子供の貧困対策に取り組んでまいります。

要望

それでは、何点か要望させていただきます。
初めに、県立学校の老朽化対策についてです。
県立学校については、耐震化とともにトイレを初めとして老朽化が進む各施設について、早急に新たな計画をつくり、総合的な対策を計画的に実施していただきたいと思います。
また、先日、横浜市内の小学校で防煙シャッターが落下し、児童がけがをする事故が発生しました。点検を行っていたとのことでありますが、シャッターとワイヤは開校から交換されていなかったとのことであります。県立学校においても、こういった事故の起こらないようにしっかりとした対応をお願いいたします。
そして、児童・生徒が生き生きと学ぶことができるよう、安全・安心で快適な教育環境の整備に向け、取り組みを計画的に進めていただくよう要望いたします。
次に、選挙権年齢の引き下げに伴う教員研修についてです。
今回の選挙権年齢の引き下げ、いわゆる18歳選挙権の実現は、将来の日本を一層活力のある誰もが活躍できる社会としていく上で、大変重要な契機であると改めて認識しているところです。
教育委員会におかれては、今後も引き続き教員の政治的中立性を十分に確保し、各校の政治参加教育の取り組みのさらなる充実に向けて教員研修を充実していただき、本県の未来を担う高校生が積極的に政治にかかわるよう道筋をつけていただくことを要望いたします。
次に、子供の貧困対策の推進についてです。
今回、神奈川県がアンケート調査を実施し、そこで得られたひとり親世帯の現状やニーズに関するさまざまなデータはとても貴重なデータであると考えますが、現在はまだ単なるデータでしかないので、今後はそれを有効に活用していく必要があると思います。そのために、これから今回のデータを分析し、必要な施策を検討していただくよう求めます。
また、データを分析した結果、今回の調査で不足のあった部分、さらに調査が必要な部分などが見えてくると思います。アンケート調査は県民の方の声を聞く一つの手段であり、現状やニーズを把握することは、施策の検討の第一歩なので、今後も引き続き必要な調査を実施し、設置した連絡会議で市町村と連携しながら、子供の貧困対策の推進に努めていただくよう要望いたします。


県政の重要課題について

県内中小企業の海外展開支援について

世界経済の状況は、アジアを初めとする新興国の成長が著しく、人々の生活水準は向上し続けていますが、一方で、我が国の人口は2008年をピークに減少に転じており、今後も引き続き減少が見込まれるため、国内での需要は減少傾向にあります。

また、この10月には環太平洋パートナーシップ協定-TPPが大筋合意し、世界のGDPの4割を占める巨大な市場において、鉱工業品の関税撤廃のみならず、投資、サービスの自由化などにより、製造業からサービス業に至る我が国の企業にとって、TPPは巨大な市場圏の誕生を意味しています。

このような状況において、本県の中小企業にも新興国市場等の旺盛な需要を取り込むため、国際分業を進めるなど、急激に変化する世界経済の動きへの対応が求められている一方で、海外経験の少ない中小企業の海外展開にはさまざまな課題やリスクがあり、これらを見きわめながら取り組むことが求められ、踏み切れない大きな要因の一つとして、海外展開を担うグローバル人材が不足していることが挙げられます。

県では、本年6月に開所したベトナム・ハノイの神奈川インダストリアルパークの設置を初め、これまでも中小企業の海外展開支援に関して、さまざまな取り組みを行っていますが、今後はこのグローバル人材の不足についての支援も強化していくことが必要であると考えます。

また、中小企業が必要とする支援は多様であり、急速に変化している世界経済の中で求められる支援も年々変化していく状況であります。

したがって、県としては、今後の海外展開支援策を検討していくためにも、県内中小企業の海外での事業の内容や進出先などの海外展開の動向とともに、課題や必要な支援に関して常に把握を行っていくことが必要であると考えます。

県内中小企業の海外展開を支援するために、課題の一つとなっているグローバル人材不足への対応や、支援ニーズの把握に関して、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】県内中小企業の海外展開支援についてお尋ねがありました。   まず、グローバル人材の不足への対応についてです。   TPP-環太平洋パートナーシップ協定の交渉が大筋で合意され、今後、幅広い分野で共通したビジネス環境の整備が進むことから、海外への販売や現地での事業所設置などを検討する中小企業が増加すると見込まれます。   一方、そうした中小企業は、海外展開の実務を経験したグローバル人材がいない、あるいは不足していることが大きな課題となっています。   そこで、県では、人材サービス会社であるテンプホールディングス及びパソナと協定を結び、本年度から共催でセミナーを開催し、海外現地でのグローバル人材の採用などを支援していきます。   また、新たに神奈川県プロ人材活用センターを神奈川産業振興センター内に設置し、今月の16日から運用を始めます。このプロ人材活用センターは、個々の中小企業の状況に応じて、グローバル人材など、必要な人材を見きわめ、人材サービス会社等と連携しながら採用をサポートしてまいります。次に、中小企業が海外展開に必要とする支援ニーズの把握についてです。
県では、これまでも経済団体や個々の企業との意見交換などを通じて、そうしたニーズの把握に努めてきました。今後はさらに神奈川産業振興センターと連携して、県内中小企業約3,000社を対象にアンケートによるニーズ調査を実施し、その結果をもとに海外展開を積極的に支援してまいります。

「かながわ水産業活性化指針」の改定について

本県は、閉鎖的な東京湾と外海に面した開放的な相模湾という二つの海に面し、多種多様な水産資源に恵まれ、定置網漁業、刺し網漁業などさまざまな漁業が営まれています。

しかし、漁業生産量は、昭和50年代以降減少傾向が続き、さらに価格の低迷など、漁業経営を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。

県では、こうした状況に対応するため、平成17年3月にかながわ水産業活性化指針を策定し、活力ある水産業を目指して、さまざまな施策に取り組んでいます。

直近では、今年3月に漁業調査指導船ほうじょうが竣工し、沿岸漁業への支援が強化されるものと期待しています。

さらに、三崎漁港においては、水産物の衛生管理対策を強化する取り組みが始まり、今後さらに県産水産物のブランド力が高まることが期待されます。

また、小田原漁港の整備は県西地域の長年の懸案であり、今後、建設が予定されている交流施設などの関連施設の充実により、県西地域発展の起爆剤となると期待しています。

しかし、漁業は、水産資源の減少や漁場環境の悪化など、漁業経営は不安定な面があります。そこで、漁業経営を安定するため、育てる漁業や資源管理型漁業などが取り組まれています。また、漁業者みずからが、自分でとった魚を加工し、販売するといった取り組みも行われるようになりました。

県は、さまざまな課題に直面しながら、このように水産業の振興に取り組んでいる漁業者の方々を、中長期的、計画的にしっかり支援していく必要があります。

そして、このような状況の中、水産業の目指す姿や、それに対する施策を定めたかながわ水産業活性化指針が今年度をもって目標年度を迎え、現在、その改定作業が行われています。

県民に安全で安心な県産の水産物を安定して供給することが本県水産業の役割と考えますが、さらに着実に進めていくため、改定するかながわ水産業活性化指針にどのような施策を重点的に盛り込もうとしているのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】かながわ水産業活性化指針の改定についてお尋ねがありました。   本県は東京湾と相模湾に面し、豊かな水産物に恵まれています。しかし、近年、東京湾では魚の餌の減少など、さまざまな要因により、水産資源が減少していますし、三浦半島周辺では海草の消失による漁場環境の悪化が進行しています。   また、水産業は日々の漁獲量の変化が大きく、水産物を安定的に供給しにくい面があり、加えて魚の消費量も減少傾向にあります。さらに、水産業を支える漁業者の高齢化と減少が進んでおり、担い手の確保が課題となっています。   そこで、こうした課題を解決するため、現在改定作業中の水産業活性化指針には、重点的に取り組む四つの施策を盛り込んでいきます。   一つ目は、水産資源を守り育てるため、とり過ぎを防ぐ資源管理や、ニーズに合った魚をふやす栽培漁業を推進するとともに、魚介類の成育の場となる漁場環境の保全に取り組みます。   二つ目は、多様な水産物を安定して供給するため、漁港や定置網に魚をストックする生けすを整備するとともに、県民ニーズに合わせた加工品の開発などに取り組みます。   三つ目は、担い手の確保のため、就業希望者が漁業者と直接相談できる面談会を開催するなど、新規就業の促進に取り組みます。   四つ目は、漁業者の経済活動の基盤となる漁業協同組合の経営強化や水産物の流通拠点となる漁港施設などの機能強化を図っていきます。   こうした施策を水産業活性化指針に盛り込み、長期的な視点で推進していくことで、豊かな水産物を将来にわたって安定的に県民に供給する水産業の実現に取り組んでまいります。

営農指導強化にかかわる農協への技術的支援について

本県農業は県民に新鮮で安全な農産物を提供するとともに、生産活動により維持されている農地は都市住民や学童の身近な農業体験や食育の場であり、また、都市の中の貴重な緑地空間として、環境保全や景観の維持、さらには緊急時の防災空間としての機能など、県民生活に大きく貢献をしています。

農産物の主たる生産を支えているのは、認定農業者など、専業で取り組んでいる農業者の力はもとより、生産に貢献する農家の裾野は広く、規模の小さい農家や高齢者も多くの方が生き生きと生産に励み、品質の高い野菜や果樹を直売所などで販売しています。

県では、農業技術センター、畜産技術センターの普及指導員が生産技術や経営の指導に当たっており、農家から期待されています。

しかし、指導の対象は、新規就農者や経営規模の大きい専業農家に重点を置いており、普及指導以外でも、国や県の農政施策は、認定農業者などの地域の中心的な担い手となる農業者を主な対象としています。このことは政策の優先度、効率性などから理解できますが、地域農業全体を支え、農地を維持していくためには、幅広い生産者に対する支援も必要と考えます。

一方で、広く地域の農業者を対象に営農指導を担っているのは農業協同組合であり、県内には13の総合農協それぞれが営農指導員を設置し、農家に対しての指導を行っています。営農指導は農協の取り組むべき最も基本的な業務であり、組合員からは、量的にも質的にもさらなる充実強化を求める声が大きくなっていると感じています。

先般、農業協同組合法が改正され、農協の経営目的として、農業所得の増大に最大限配慮することが明記されましたが、このための具体的な取り組みを農協が進めていくには、営農指導員の資質向上は欠かせず、県内の農協でも具体的な検討が進められていると伺っています。

職員の能力向上については、みずから取り組むことが必要ですが、効率的、効果的に進めるためには、県内の農業現場に密着した試験研究や普及指導を推進している県からの支援が重要と考えます。

営農指導強化にかかわる農協への技術的支援について、知事の見解を伺います。

【知事答弁】次に、営農指導強化にかかる農協への技術的支援についてお尋ねがありました。   都市化の進んだ本県では、農地の規模拡大が困難なことから、農業所得をふやすためには、農業者が技術力を高め、生産性を向上させることが必要です。   現在、農業者に対する技術指導は県と農協で役割分担して行っています。具体的には、新たな技術や専門性の高い技術は県の普及指導員が担当し、病害虫や雑草の防除、肥料などに関する基本的な技術は主に農協の営農指導員が担当しています。   今後、農業者が適切な技術指導を受け、生産性を高めていくためには、農業者にとって身近で気軽に相談できる営農指導員の技術力を高めることが重要であります。   そこで、県としても農協に協力し、営農指導員の技術力の向上を支援していきます。JAグループ神奈川では、今年7月に策定した営農・経済改革プランの中で、営農指導員の育成のための研修体系を構築するとしていますので、県はその検討段階から相談に応じていきます。   また、研修が行われる際には、県の研究員や普及指導員を講師として派遣するとともに、希望に応じて営農指導員を農業技術センターなどの研修生として受け入れていきます。   さらに、平成25年度から農協の営農指導員が現場でタブレット端末の活用を始めていますので、農業技術センターのホームページに営農指導員向けの情報コーナーをつくり、利用価値の高い技術情報を来年度から提供していきます。   このように県の技術の蓄積を生かして、農協による人材育成の取り組みを積極的に支援してまいります。

(仮称)かながわくらし・しごとセンターについて

本県では、少子化の進展に伴い、総人口は2018年をピークにその後減少することが見込まれていますが、既に人口減少が始まっている市町村があります。具体的には、県内市町村の現在の人口を、平成25年の人口と比較すると、県西部や三浦半島を中心に21市町村で減少している状況となっています。

また、昨年の5月には、日本創成会議が発表した消滅可能性都市として、本県では9市町村が含まれていました。

このように少子・高齢化が進行し、地域経済を支える労働力人口が減少していく状況において、本県の経済のエンジンを回し、活力にあふれる神奈川を実現するためには、人口減少対策を進めていかなければなりません。

そのためには、本県の人口減少地域へ東京からの移住を促進させていく取り組みが必要であると考えます。

本県では、国の地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金を活用して、(仮称)かながわくらし・しごとセンターを開設し、本県への移住を促進させる取り組みを進めるとしていますが、まだ具体的な内容が示されていません。

一方、横須賀市を初め、既に人口減少が始まっている市町村においては、移住者を積極的に受け入れるため、子育てや住まいの支援といった取り組みを進めている例もあり、本県への移住を促進させるためには、市町村と連携し、こうした情報をしっかりと共有していく必要があります。

(仮称)かながわくらし・しごとセンターの開設に向けた進捗状況と、今後の事業展開について、知事の見解を伺います。

【知事答弁】(仮称)かながわくらし・しごとセンターについてお尋ねがありました。   東京に在住または在勤している方を対象に、神奈川の暮らしと仕事に関する情報を提供し、人口減少地域への移住を促進するため、(仮称)かながわくらし・しごとセンターの設置を検討しています。   このセンターは、当初、横浜と県西部に設置する予定でしたが、ターゲットである東京からの移住希望者に対して、より効果的にアプローチするため、設置場所を見直すことにしました。   具体的には、東京の有楽町駅前でNPO法人が運営している、ふるさと回帰支援センター内に設置することとし、年内には事業を開始する方向で調整を進めています。なお、名称は、ちょこっと田舎・かながわライフ支援センターとすることにいたします。   今後の事業展開に当たっては、市町村や関係機関と連携しながら、暮らしと仕事に関する情報を積極的に発信していきます。   まず、暮らしに関する情報については、都心に近くて自然環境にも恵まれている神奈川の地域特性を生かしたライフスタイルをセミナーで紹介するほか、新聞や雑誌等で発信していきます。   また、移住を促進するため、住まいや子育ての支援に取り組んでいる市町村もありますので、そうした情報もあわせて広報していきます。   さらに、仕事の情報に関しては、初めにインターネットで閲覧できるハローワークの求人情報を提供します。そして、移住希望先が絞り込まれた段階で、若者就職支援センターのキャリアカウンセリング等を活用して就職をきめ細かく支援します。   このように魅力ある神奈川ライフを積極的にアピールすることにより、東京からの移住を促進し、人口の社会増を図ってまいります。

子宮頸がん予防ワクチン接種後の健康被害支援制度について

子宮頸がん予防ワクチンは、平成25年4月に定期接種化がされましたが、同年6月には国が積極的勧奨の差し控えを通知しました。

ワクチン接種後の健康被害については、本来、国により救済されることとなっていますが、因果関係についての審査が中断し、接種後の症状に苦しむ方の救済は長く進まない状況にありました。

そうした中、県が、緊急的支援として、都道府県では初となる独自の支援制度を創設し、本年8月から支援を開始したことは、我が会派の主張にも沿うものであり、大変評価するものであります。

その後、9月17日に国の副反応検討部会が開催され、出席した委員から、救済に関する従来からの基本的考えを踏襲して、速やかに進めるべきとの意見が出されたことから、1年以上行われていなかった国の審査が再開され、翌18日には、定期接種化後にワクチン接種を受け、症状があらわれた方6名が認定され、24日には、任意接種の時期に接種を受け、症状があらわれた方11名が認定されたと報道されました。

あわせて、患者・保護者からの多様な相談に対応するため、厚生労働省と文部科学省が連携し、相談・支援体制を整備することとしたとのことであります。

国の救済に向けた審査が再開されたことは大変喜ばしいことでありますが、一方で、県は、こうした国の動きを受け、横浜市と歩調を合わせて支援制度を見直し、年内で申請書等の受け付けを打ち切るとしています。

国の救済制度が整ったとしても、現に接種後の症状に苦しむ方がいることは事実であり、県の支援制度見直しに不安を抱く方もいると思われます。

接種後の症状に苦しむ方に対し、今後どのように対応していくのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】ワクチン接種後の健康被害については、本来、国により救済されるべきものですが、長らく因果関係についての審査が中断し、救済が進んでいませんでした。   私自身、さきの統一地方選挙の中で、実際に健康被害が生じている方々からの生の声を聞き、県として何かできないかとの考えから、本年8月に都道府県で初めて独自の支援制度を開始しました。   そうした中、9月から国の審査が再開されました。そこで、県の支援制度を見直し、医療費、医療手当の給付は10月に受けた診療分までとし、申請書の受け付けは原則として12月末までとしました。   県と横浜市を初めとする市町村が一体となって支援に取り組んできたことが、結果として国の判断を促し、救済が進むことにつながったことは、大変意義があったと思っています。   国の審査は再開されましたが、健康被害に苦しむ方は何よりも症状の回復を望んでいます。そこで、県立こども医療センターで積極的に受け入れるとともに、県職員が県内の協力医療機関等を訪問し、多くの患者が個々の症状に応じた診療を求めている現状を説明して、最も適した診療科で医療を受けられるよう働きかけているところです。   また、これまでの保健福祉局の相談窓口を国が設置を求めている総合相談窓口とし、治療上の悩みや救済手続等、患者や家族のさまざまなニーズに適切に対応できる機関へつなげていきます。   教育委員会でもこの11月に相談窓口を新たに設置し、ワクチン接種後の症状に苦しみ、学校に行けないといった生徒からの相談に丁寧に対応していきます。さらに、相談を通じて明らかになった救済制度上の課題については、必要に応じ、健康被害に苦しむ方に寄り添って支援してまいります。

国民健康保険における財政安定化基金の設置について

医療保険制度改革の一環として、本年5月に国民健康保険法が改正され、平成30年4月から、都道府県も国民健康保険の保険者に加わり、市町村とともに制度運営を行っていくことになりました。

国民健康保険の加入者は、非正規の雇用労働者や定年退職後の高齢者が多いことから、企業の従業員が加入する健康保険組合などの被用者保険と比べると、所得は低く、医療費の支出が多いとのことであります。

また、保険料を給料から天引きできる被用者保険に比べ、国民健康保険は加入者に直接納めてもらわなければならないことから、市町村が努力をしても、収納率を大きく上げることが難しいとされています。

このようなことから、国民健康保険の財政が厳しい状況にあることは理解できますが、今後、社会の高齢化が進み、加入者の年齢構成が上がっていくと、今よりもさらに財政状況が悪化していくことが心配されるところであります。

しかし、県民にとって、万一病気にかかったり、けがをしても、少ない本人負担で安心して治療が受けられる仕組みは大変重要であり、今後も国民健康保険制度が安定的に運営されていくことが強く望まれます。

こうした状況の中で行われる今回の制度改正においては、県と市町村の役割が見直されるとともに、さまざまな取り組みが進められるとのことですが、そのうちの一つとして、県では新たに財政安定化基金を設置するとのことであります。

新たな基金の設置目的及び内容について伺います。また、この基金における県の役割をどのように考えているのか、知事の見解を伺います。

【知事答弁】国民健康保険制度は、被保険者に高齢者や低所得者が多く、厳しい財政運営を強いられています。そこで、このたび、持続可能な医療保険制度を構築するための法改正が行われ、国保財政の安定的な運営に向けて、県が新たに財政安定化基金を設置することとされました。   この基金の設置目的は、市町村の医療給付費の増加や保険料の収納不足により、財源が不足した場合に備えて、あらかじめ基金から貸し付けや交付を行うことができる体制をつくることです。   このうち、貸し付けについては市町村の財源不足額に応じて無利子で行い、原則3年間で償還を受けます。また、交付については、災害等の特別な事情が生じた市町村に対して、保険料不足額の2分の1以内の範囲で行うものです。   県では、平成28年第1回定例会で条例提案を行った上で基金を設置し、現時点の見込みでは、平成27年度から29年度までの3年間で約140億円程度の基金造成を国費により行う予定です。   国民皆保険制度を維持し、県民の皆さんに安心して暮らしていただくためには、県と市町村が一体となって今回の国保制度改革を進めていく必要があります。県としては、この基金を必要に応じて適切に活用することで、本県における国民皆保険制度がこれからも安定的に運営されるよう、市町村を支援する役割を担ってまいります。

再質問

それでは、2点再質問をさせていただきます。

1点目は、県内中小企業の海外展開支援についてです。

企業が必要とする支援ニーズの把握については、神奈川産業振興センターと連携してアンケート調査を実施するとのことでありますが、今後、海外展開を検討する県内中小企業にとっては、既に海外に進出し、現地で操業している企業が直面している課題等を把握することも重要であります。

また、県としては、そうした課題を把握した上で、県内中小企業の海外展開を支援する必要があると思います。

特に、海外進出のニーズが高いタイ、インドネシア、ベトナムにおいて、既に進出している県内企業の課題等を把握する調査を実施する必要があると考えますが、見解を伺います。

2点目は、かながわ水産業活性化指針の改定についてです。

水産業関係の皆さんからお話を伺うと、資源の減少や漁場環境の変化などの課題についてご指摘をいただきます。そうした課題の解決に当たっては、これまでの手法に加え、新たに水産業にも先端技術を積極的に活用していくことが重要だと考えます。

そこで、知事が選挙の際、政策として掲げていた漁業のハイテク化の支援について、どのように取り組んでいくのか、知事のご所見を伺います。

【知事答弁】それでは、お答えしてまいります。   県内中小企業の進出のニーズが高いタイ、インドネシア、ベトナムにおいて、進出している県内企業の課題等を把握するための調査についてご質問がありました。   県内に本社を置く企業のうち、この3カ国に進出しているのは、2014年現在でタイは126社、インドネシアは48社、ベトナムは35社となっています。   この地域はシンガポール駐在員と横浜銀行バンコク駐在員事務所に派遣している職員、この2人が担当しておりますので、今後連携しながら現地でのネットワークを活用して調査を実施し、直面している課題を把握して、県内中小企業に周知してまいります。   続いて、漁業のハイテク化に関する取り組みについてのお尋ねがありました。   水産業においても、新しい技術を導入して生産をふやす取り組みというのは大変重要であります。そこで、県では、栽培漁業において、放流する稚魚を生産する際に、バイオテクノロジーを活用して、天然魚の遺伝子を持ち、病気や環境の変化に強い稚魚を効率的に生産する技術の開発を行っております。   また、漁業者の労働軽減のためのアシストスーツ、これも大学、民間企業で開発が進んでいますので、県内漁業者への普及を進めてまいります。   このようなハイテク技術の開発や導入促進についても、新たな水産業活性化指針に盛り込んで進めてまいります。

要望

それでは、何点か要望させていただきます。

初めに、県内中小企業の海外展開支援についてです。

先ほどタイ、インドネシア、ベトナムに進出している県内企業を対象に、現地での課題を把握するための調査を実施するとのご答弁をいただきました。この3カ国は経済成長が進んでいますが、インフラや法制度などの整備が追いつかず、さまざまな課題も生じていると伺っています。

できる限り早期に調査を実施し、海外展開の検討に役立つ有意義な情報を県内企業に周知していただくことを要望いたします。

次に、かながわ水産業活性化指針の改定についてです。

水産業においても、先端技術に積極的に取り組まれるという心強い答弁でありました。さらに、県内漁業者への支援を目的に、研究、調査を行う機関として県水産技術センターがあります。漁業者の生産向上を図るために、ぜひセンターが先端技術に対応できるよう、機能強化を図ることを要望します。

そして、厳しい経営環境の中、その改善のために努力している漁業者の活動を支援できるよう、この水産業活性化指針の改定に取り組んでいただくことを要望いたします。

次に、営農指導強化にかかわる農協への技術的支援についてです。

県と農協による連携した指導体制があることで、農業者にとっては、身近な指導と県の高度な技術指導が受けられ、安心して農業生産ができると思います。営農指導員のスキルアップの過程で、大学との連携が有効な場面も出てくるかと思います。県内に複数の大学の農学部がある有利性を生かし、連携に向けた支援を求めます。

そして、県としても、普及指導員など農業技術者の継続的な確保、育成に努めていただくよう要望いたします。

次に、子宮頸がん予防ワクチン接種後の健康被害支援制度についてです。

県の支援制度は、国の救済が進まない中、緊急的支援として開始され、それにより、国の審査が再開されたわけですが、接種後の症状に苦しんでいる方やそのご家族は、県の突然の打ち切りに落胆しています。被害者が切れ目なく国の支援が受けられるように、県としても引き続き国と連携をとりながら支援することを求めます。

また、県が相談窓口を設置する中で、県内の健康被害の実態を改めて把握する体制を整えていくことも、あわせて要望いたします。

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