平成27年第1回定例会 一般質問

向笠議長のお許しをいただきましたので、自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。

黒岩知事、松森県民局長、中島保健福祉局長におかれましては、明快なご答弁をよろしくお願いいたします。先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、ご清聴のほどよろしくお願いいたします。


外国人観光客の誘致について

日本政府観光局の調査によれば、日本を訪れた外国人旅行者数は、平成25年は1,000万人を突破し、平成26年は1,341万4,000人と過去最高を記録したとのことです。また、観光庁の調査では、同年の訪日外国人旅行者消費の総額は、前年比43.3%増の2兆305億円と推測され、これも過去最高を記録したということです。

国は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催という絶好の機会を捉え、訪日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指しておりますが、円安を追い風に、目標の2,000万人の実現は視野に入っており、今後は、さらに外国人観光客の誘客活動が強化されていくことが見込まれます。

例えば、消費税免税制度では、昨年10月から、従来、免税販売の対象となっていなかった食品類や化粧品などの消耗品を免税対象とし、また、中国人個人観光客に対する数次ビザ発給要件の緩和がなされたことから、春節を迎えた中国からの観光客の呼び込みに成功しています。

こうした国を挙げたインバウンド観光の推進の動きにおくれをとることなく、本県における観光行政に積極的に取り組んでいくべきであると考えます。

まず、東京に集中する外国人観光客の誘致に向けた取組について伺います。

観光庁によれば、平成25年に日本を訪れた外国人旅行者の都道府県別訪問率は、東京が47.3%と群を抜いて高く、次いで大阪が25.1%、京都が18.9%、本県が11.2%となっており、東京に一極集中しているという状況にあることがわかります。

しかし、こうした状況は、圧倒的な訪問率を誇る東京に隣接する本県にとり、東京を訪れた外国人観光客を本県に取り込むチャンスでもあると考えます。なぜなら、本県は、箱根や湯河原といった日本を代表する温泉、鎌倉の神社仏閣など、外国人観光客を引きつける観光資源に恵まれているからです。

そして、こうした機会や状況を生かし、積極的に外国人観光客誘致に取り組むとともに、その経済効果を、横浜、箱根などの有名観光地だけにとどめさせないためには、広く県内に行き渡るようなプロモーション活動を展開していくことが必要であると考えます。そのためには、神奈川の魅力を発信するに当たり、いかに外国人観光客の関心を引くかという観点が必要であります。

例えば、外国人観光客に対して、神社のお参りの仕方、お風呂の入り方といった日本のしきたりや習慣を紹介することや、地域の伝統文化をわかりやすく解説することなどにより、本県ならではの魅力をPRすることで、東京から多くの外国人観光客を取り込むことにつなげていけるのではないかと考えます。

そこで、知事に伺います。

東京に集中する外国人観光客の誘致や、外国人観光客に対する日本の習慣等の理解促進について、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

【知事答弁】外国人観光客の誘致についてお尋ねがありました。   まず、東京に集中する外国人観光客の誘致に向けた取り組みについてです。   本県には貴重な歴史・文化遺産、豊かな自然や温泉、最先端の産業集積など、外国人観光客を引きつけてやまない魅力にあふれた観光資源がそろっています。加えて、羽田空港からのアクセスのよさや県内外の交通網が発達しているという強みもあります。   こうした中、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定し、今後ますます多くの外国人観光客の訪日が期待されます。この機を逃さず、神奈川の多彩な観光魅力を効果的に発信し、東京から神奈川へという外国人観光客の大きな流れをつくっていくことが大変重要です。   そこで、本県の東京からのアクセスのよさを生かし、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の観戦の合間に観光客を神奈川に呼び込み、神奈川の魅力を満喫できるスキマ時間ツアーを検討していきます。また、みさきまぐろきっぷや箱根フリーパスなど、東京から本県へのお得なフリー切符の情報についても、積極的に発信していきたいと考えています。   さらに、大山のこまの絵つけ体験や秦野盆地の湧水群などをめぐる銘酒と名水を楽しむツアーなど、日本文化に親しみたいという外国人観光客のニーズを捉えた多様なオプショナルツアーを実施してまいりたいと考えています。このオプショナルツアーの参加者には、神社の参拝方法や温泉での作法などを紹介するしおりを配布することで、より深く日本の文化や習慣を理解していただきたいと考えています。   こうした取り組みを通じて、東京に集中する外国人観光客を本県に呼び込むとともに、訪れた方が神奈川のファンになり、何度も訪れていただけることを期待しています。

外国人観光客を商店街に呼び込む取組について

外国人観光客の誘致に向けては、例えば、商店街に外国人観光客を呼び込むという取り組みがおもしろいのではないかと考えています。

例えば、商店街には、和菓子屋など、日本的で外国人の関心を呼び起こすようなものがたくさんあります。また、商店街自体は観光地ではなく、観光客を迎え入れるためにつくられたものではありませんが、そこには地域のありのままの姿があり、日本人の日常の姿が見られる場所もあります。

例えば、私の地元にある商店街で毎年夏に数回開かれる縁日には、100を超える露店が商店街に立ち並び、遠方からもたくさんの人が集まり、大変なにぎわいを見せますが、こうした催しは外国人観光客の方からすれば、大変異国情緒に富んだ物珍しいものに映るのではないでしょうか。

一方、国は、日本に訪れた外国人観光客を地方に導くため、商店街などが丸ごと免税店になれる新制度を4月から始めるとのことであります。これは、商店街のカウンターにレシートを持っていけば、一括して免税手続がとれる仕組みであり、外国人観光客の利便性が向上するとともに、地域の名産品などに目を向けさせることもできる画期的な制度だと思います。

本県でもさまざまな観光客誘致を行っていますが、中でも商店街を観光資源として、特色ある商店街をめぐる商店街観光ツアーに取り組んでいることを承知しています。昨年5月には、七夕まつりで有名な平塚市の商店街をめぐるツアーが実施され、7月の七夕まつりで掲示される七夕飾りづくり体験や骨董市見学、また平塚八幡宮参拝など、商店街の魅力をたっぷりと堪能できる内容であったと聞いております。

こうした体験型、参加型ツアーは、見る、食べる、買うといった定番の観光から一歩進んだ形として大変評価できるものと考えています。今後は、こうしたツアーを外国人観光客にも広げ、外国人観光客を対象とした商店街観光ツアーも展開していくべきだと考えます。

そこで、知事に伺います。

外国人観光客を商店街に呼び込むことに、県としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

【知事答弁】外国人観光客を商店街に呼び込む取り組みについてお尋ねがありました。   我が国を訪れる外国人観光客が今後ますますふえることが期待されることから、県では、こうした方々にぜひ県内の商店街を訪れていただきたいと考えています。日本人にとっては見なれた商店街の街並みや商品でも、外国人にとっては新鮮に映ることから、商店街観光ツアーは外国人観光客にとって大変魅力的なものになると思います。また、商店街にとってもにぎわいを生むなど、大きな効果があるものと考えます。   そこで、来年度、外国人向け商店街観光ツアーを実施し、商店街を訪れた外国人観光客に、例えば銭湯見学やそば打ち体験などを楽しんでいただきたいと考えています。   また、商店街の方々の多くは外国語に不安を持っていますので、指さし会話帳をお配りして、コミュニケーションをとっていただきたいと考えております。   さらに、本年4月1日から免税手続の改正に伴い、例えば、同じ商店街の複数の店舗で買い物をした場合、商店街の中にあらかじめ設置されたカウンターで、購入した商品の全ての免税手続を一括して行えるようになります。   そこで、県では、本日提案いたしました2月補正予算案にもございますが、今回の国の交付金を活用して、一括カウンターの設置を希望する商店街に対して必要な機器等の導入に対する財政的支援やサポート体制の整備などを行っていきたいと考えています。   こうした取り組みを通じて、商店街に多くの外国人観光客が訪れ、県内の商店街全体が活性化していくことを期待しています。

外国企業の誘致について

昨年6月に閣議決定された日本再興戦略改訂2014では、2020年における対内直接投資残高を倍増するという目標を達成するために、政府の推進体制を整備し、投資案件の発掘、誘致活動、必要な制度改革の実現に政府横断で取り組む方針が示されました。

グローバルな外国企業が事業の拠点を県内に構えることは、県内中小企業が持つすばらしい技術を活用できる絶好の機会となるほか、雇用の増加、県内企業の新たな取引先の拡大という経済効果により、県内経済の活性化につながることから、外国企業の誘致には、本県としても積極的に取り組んでいく必要があると考えます。

昨年12月には、米国IT大手のアップル社が今年にも横浜に開発拠点を開設するという新聞報道がありました。みなとみらい地区は、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区があり、アップル社は健康管理機能がついた腕時計型ウエアラブル端末Apple Watchを発売する予定であることから、健康管理分野のサービスを展開するに当たり、足がかりを横浜に得ようとしているのではないかという報道もあるようです。

外国企業はさまざまな理由で進出先を選ぶのでしょうが、どのような点に魅力を感じて本県に進出してきたのかを分析し、今後の誘致活動に生かしていくことは重要なことです。また、外国企業を誘致するためには、まずは、本県が外国企業にとって投資対象として魅力的な場所となる必要があります。

現在、本県では、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区のほか、さがみロボット産業特区、そして国家戦略特区と、三つの特区の指定を受け、規制改革などを進めることにより、外国企業も参入しやすく、投資先として魅力的な場所となるための取り組みを行っていると承知しています。

三つの特区で、先進的な取り組みを行っていることは大きなアピールポイントであり、今後は、その魅力を世界に向けて、より積極的に発信するなど、さまざまな誘致活動を展開していくことが重要になってくるものと考えます。

そこで、知事に伺います。

本県への外国企業誘致に今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

【知事答弁】次に、外国企業の誘致についてお尋ねがありました。   外国企業を本県に誘致することは、県内中小企業の取引拡大や雇用の創出につながり、本県経済を活性化する上で大きな効果が期待できます。このため、県では、本県への進出を検討している企業に対して、例えば投資環境や具体的な支援を説明するなど、外国企業へのプロモーション活動を国内外で積極的に展開してまいりました。こうした取り組みの結果、平成11年度以降これまでにIT関連企業など、計64社の誘致に成功しています。   今後、人口減少などの影響で国内市場が縮小していく中で、本県経済のエンジンを力強く回していくためには、さらに多くの外国企業を誘致していく必要があります。現在、本県は三つの特区を獲得し、最先端医療関連産業やロボット産業の創出などに取り組んでおり、今後、研究施設や最先端の技術を持つ企業の集積が加速していくことが見込まれます。   また、首都圏という巨大消費地に位置していることから、日本市場への参入を狙うには最適な立地条件にあります。このため、外国企業が高度な技術を持つ県内企業と連携し、新たな製品を開発するとともに、その製品を日本で販売していく上で、本県は大変魅力的な進出先と言えます。   そこで、本日提案の補正予算案にもございますが、外務省と連携し、在日の大使館や外国の経済機関の方々を対象に、特区の取り組みなどを紹介するセミナーや見学会を開催し、本県の魅力を知っていただきたいと考えています。   具体的には、例えば、さがみロボット産業特区にある湘南ロボケアセンターで介護ロボットHALを体験していただき、本県のすぐれた技術や特区の取り組みを本国にある多くの企業にアピールしていただきたいと思います。   また、県内に進出する外国企業に対して、本県への進出理由などを確認することにより、本県の強みを詳細に分析し、今後の戦略的な誘致活動につなげていきたいと考えています。   これからも進出を希望する企業の声を十分に伺いながら、効果的な誘致施策に取り組むことにより、県内経済が活性化することを期待しています。

地域防犯活動の促進について

犯罪の被害に遭わずに安心して暮らせる社会は、多くの地域住民の願いであります。先日、警察本部から公表された平成26年の県内の刑法犯認知件数は約6万7,000件であり、戦後最悪であった平成14年の約19万件から3分の1近くまで減少したとのことです。

もとより、犯罪がこのように減少したのは、県警察を初め、行政のたゆまぬ努力の結果でありますが、平成17年に施行された「神奈川県犯罪のない安全・安心まちづくり推進条例」に基づき、県民運動としてさまざまな取り組みが行われてきたことも大きな力になったものと考えます。

この条例には、県民は犯罪を防止するための自主的な行動を初めとする安全・安心まちづくりへの理解と、みずからが安全・安心まちづくりを推進することが定められており、現在、防犯に関心のある方々によって、家庭、職場、そして地域で防犯活動が進められています。

中でも、県民の方々が自主的に組織する自主防犯活動団体は、安全・安心まちづくりの中心となっており、その活動も、防犯パトロール、そして、児童・生徒の登下校の見守り活動のほか、警察署と連携した防犯キャンペーンなど、さまざまな活動が日々行われています。

私の地元である横浜市西区においても、例えば、シルバークラブの方々が、地域ぐるみで子供を守るため、登下校時の見守り活動を行っているほか、自治会や町内会、あるいは企業なども、自分たちのまちは自分たちで守るという意識を持って、防犯パトロールや見守り活動を行っております。そして、県に自主防犯活動団体として登録を行っている団体は16団体あり、活動への参加人数も500人を超えています。

こうした活動は、犯罪の減少という防犯上の効果だけではなく、活動を通して住民相互のきずなが深まることから、地域コミュニティーの活性化の面からも大変重要なことであり、県として積極的に推奨する必要があると考えます。

一方、地域の方々からは、自分たちの活動の充実と一層の防犯効果が得られるよう、他の団体のすぐれた取り組みを知ることや、地元市町村や警察署との連携を進めたいという積極的な声をお聞きしていますが、県においても、そうした団体間の相互連携に取り組んできたことは承知しているところです。

私は、防犯活動を活性化させるためには、団体同士の相互の連携を進めることが大切と考えていますが、さらに一歩進め、そこに行政と警察が加わることによって、地域の防犯ネットワークが形成され、これまで以上に安全で安心して暮らせる神奈川の実現につながっていくと考えています。

そこで、知事に伺います。

県では、これまでの自主防犯活動団体の相互連携への取り組みを踏まえ、防犯団体と行政が連携する地域のネットワークづくりに、今後どのように取り組んでいこうとしているのか、見解を伺います。

【知事答弁】地域防犯活動の促進についてお尋ねがありました。   犯罪のない安全で安心して暮らせる地域社会をつくるためには、県や警察だけでなく、県民総ぐるみで取り組む必要があります。   そのためには、自主防犯活動団体や行政機関などが、それぞれの所有している情報や活動状況を共有し、相互に連携協力することが大切です。こうしたことにより、それぞれの団体の特色や長所を生かした活動を進めることができ、地域防犯力の一層の向上が可能になります。   このため、県では、まず、地域防犯活動の中心である自主防犯活動団体の連携促進に取り組んでまいりました。防犯団体同士が優良事例の発表や意見交換を行う交流集会を毎年開催しているほか、特色のある活動を紹介する情報誌を発行しています。   これまでの取り組みの結果、県内では団体同士の相互連携が進み、地域の防犯活動の充実が図られてきています。   今後は、こうした団体間の連携に加え、地元市町村や警察も一体となった、より充実した仕組みをつくることで、地域防犯力を向上させたいと考えております。   そこで、県では、来年度から防犯団体と行政が参画する地域連携会議を設置し、地域のネットワークづくりを進めるモデル事業に取り組むこととしています。また、防犯団体同士が連携して取り組む活動を県の補助メニューに加え、広域連携の取り組みを支援していくことを考えています。   今後とも、地域の防犯団体や関係機関と連携し、安全・安心な神奈川の実現に取り組んでまいりたいと考えております。

ニートの若者の職業的自立に向けた支援について

自由民主党神奈川県支部連合会の青年局では、成人の日に合わせて、横浜アリーナに集う新成人を対象に、今、一番関心のある政治課題というテーマでアンケートを行っています。

このアンケートの結果ですが、景気・雇用と子育て支援が、毎年、上位に上がってきます。二十歳といえば、本来は、将来の希望を胸に抱く時期であるはずが、この結果には、多くの若者が、就職や子育てなど、未来に不安を抱えているという厳しい現実が示されています。

若者は、次世代の日本を担う大切な存在であります。しかし、アンケート結果のように多くの若者が未来に不安を感じているのは、近年、ひきこもりなど困難を抱えている若者がふえているということにも関係があるのではないかと思っています。

弱い立場に置かれている若者が、置いてきぼりになってしまう今の世の中に対して、これから迎える就職や育児というステージに向けた思いとして、自分は大丈夫だろうかという感情が若者に芽生えているということではないかと感じるからです。

若者の健全育成を保障していくためには、弱い立場に置かれた若者に対する支援を充実させ、若者が真に将来に希望を抱くことができる社会をつくっていくことが重要であると考えます。

しかしながら、国の調査によれば、15歳から34歳までの非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者、いわゆるニート状態にある若者の数は平成25年で60万人おり、15歳から34歳の人口の2.2%を占めています。

こうしたニート状態にある若者の問題は、社会環境、家庭環境、個人の意識などさまざまな要因が絡み合い、解決策は一筋縄ではいかず、大変深刻な問題であります。

また、国の調査によれば、ニート状態にある若者の半数弱はひきこもりの経験などを持つほか、高校、大学、短大、専門学校の中途退学者が3割を超えており、4割弱が不登校を経験しているなど、学校教育の段階でつまずきを経験している人が多いということです。

こうした背景を持つニート状態にある若者が、職業的に自立できるよう支えていくには、さまざまな支援者がネットワークを組んで、一人一人の状況に合った支援に取り組むことはもとより、悩みを抱える若者に対し、在学中から、高校と若者サポートステーションなどの支援機関が連携して、支援を進めることも重要であると考えます。

そこで、県民局長に伺います。

ニートなど、困難を抱える若者の職業的自立に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

【県民局長答弁】ニートの若者の職業的自立に向けた支援についてお尋ねがありました。   就職や進学をしておらず、職業訓練も受けていない、いわゆるニートの若者は県内で約4万9,000人と推計され、こうした若者の社会的、経済的な自立が大きな課題となっています。   このため、県は小田原市と厚木市の2カ所に地域若者サポートステーションを設置し、政令市の設置する4カ所と合わせ、県内では6カ所のサポートステーションが、働くことに悩みを抱える若者の相談支援に取り組んでいます。   県が設置するサポートステーションでは、平成24年4月の開設から昨年12月までの3年弱の間に440人の若者を進路決定に結びつけることができました。   しかし、ニートの若者の割合は長期的にふえる傾向にあるため、若者が働くことに悩みを抱えてしまう前に、ニート化を防ぐ取り組みが重要です。特に進路が決定しないまま中途退学や卒業した若者は、就労支援や職業観を身につける機会を失い、ニートになるリスクが高くなる傾向にあります。そのため、働くことの具体的イメージを持ってもらうとともに、将来仕事に困ったときに相談や支援を受けることができる場所として、サポートステーションがあることを在学中から周知しておくことが必要です。   そこで、県設置の2カ所のサポートステーションでは、これまで近隣の県立高校延べ10校でサポートステーションを紹介するためのセミナーを30回実施し、延べ1,150人の在校生が受講しました。来年度からは、県内6カ所全てのサポートステーションにこうした取り組みを広げ、定期的に県立高校を訪問し、在学生からの個別相談にも応じていく予定です。   今後とも、ニートを予防する取り組みを強化するなど、職業的自立に困難を抱える若者に向けた支援対策をより一層充実してまいります。

高齢者虐待防止に向けた取組について

団塊の世代が75歳以上となる2025年には、およそ5.5人に1人が75歳以上の高齢者となり、認知症や、単独世帯や夫婦のみの世帯の割合が増加し、特に都市部では急速に高齢化が進むと推計されています。

こうした中、高齢者虐待防止に向けた取り組みが大変重要になってまいります。虐待の問題は、以前から、その事実が表面化しにくいという点が指摘されており、行政としては、その対応の難しさが大きな課題となっていると承知しています。

先日、東京都にある高齢者マンションで起こった虐待の事例は、新聞報道等に大きく取り上げられました。この高齢者マンションは、行政の指導監督が及ぶ介護施設や有料老人ホームではなく、制度のはざまにあるものでしたが、このマンションでは、虐待の可能性がある入居者は96人にも及ぶ可能性があり、うち20人は体をベッドに固定されるなど身体拘束を受けていたとのことでありました。

一方、在宅における介護ですが、国民生活基礎調査によれば、介護をする人もされる人も約半数が65歳以上、すなわち老老介護であるということが示されています。介護は精神的にも肉体的にも負担が伴うものでありますが、同調査においても、約70%の方がストレスを感じているということでありました。

さて、さきの2月5日、本県は平成25年度における県内の高齢者虐待の状況を公表しました。特別養護老人ホームなどの施設の職員による虐待として認定されたのが26件、家族などの養護者による虐待として認定されたのが831件、いずれも過去最多の件数でありました。

特に、施設の職員による虐待は、残念ながら、本県が全国で最多であったとの新聞報道があり、非常に驚くとともに、放置してはいけない問題であると改めて認識いたしました。

こうした事案が明らかになったのは、虐待があったら市町村に通報し、通報を受けた市町村が適切な対応を行うという高齢者虐待防止法のルールがきちんと守られるようになったということではありますが、いずれにしろ、到底許される事案でないことは明らかです。

危惧しているのは、発生している虐待が潜在化し、生命、身体に重大な危険が及ぶような状況になってから露見することです。そうした意味では、今回公表された件数の増加は、通報を受けた市町村による対応が一定程度なされた結果でありますが、施設の職員による虐待は絶対にあってはならず、施設側も、虐待が起こらないよう未然防止に努めることは当然のことであります。

また、家族など養護者による虐待件数も過去最高となっており、虐待の原因として、介護疲れやストレスが挙げられているのを見ますと、今後はさらに増加していくおそれがあるのではないかと思います。

こうした不幸な事案をなくすためには、まずは虐待が隠蔽されることなく、きちんと通報される体制づくりが大切ですし、虐待そのものを減らしていく取り組みが重要です。

そこで、保健福祉局長に伺います。

高齢者虐待防止に向けて、通報を受けた市町村による対応が十分図られるよう、県として、どのように支援を行っているのか、また、今後どのように支援していこうとしているのか、あわせて伺います。

【保険福所局長答弁】高齢者虐待防止に向けた取り組みについてお尋ねがありました。   虐待が発生する要因には、事業所の職員については、介護技術が未熟なことが、家族の場合には、介護疲れがあるとされています。また、いずれの場合でも、虐待を受けた高齢者の多くは認知症であることが明らかになっています。虐待は人間の尊厳を脅かす行為であり、万全の防止策を講じていく必要があります。   まず、事業所の職員に対する取り組みについてです。   これまで県では、事業所の職員向けに権利擁護の取り組みや認知症の方への適切な介護についての研修を実施してきました。これに加え、施設管理者が従業員に研修を行えるよう、基本的な知識や自己点検シートなどをまとめた手引を作成し、配布しています。   次に、事業所の職員や家族による虐待が発生した際の市町村の対応に対する支援についてです。   これまで県では、虐待通報後の確認やその後の指導など、市町村が対応すべき内容についてマニュアルを作成し、提供してきました。また、新任職員向けに虐待についての基本的な知識や虐待確認の手順などについて研修を実施しています。   今後は、研修への参加が難しい小規模な事業者に対して、県職員が直接出向くなど、虐待の防止に向け、積極的に取り組んでいきます。   また、家族による虐待を防止するために、家族が抱える悩みへの対応や、介護サービスの活用について、市町村の職員向けの研修の中で、事例等も含めて伝えていきます。   このような取り組みにより、市町村を支援し、高齢者が尊厳を持って安心して暮らしていける虐待のない神奈川を目指してまいります。

再質問

まず、ニートの若者の職業的自立に向けた支援について再質問させていただきます。

先ほど県民局長の答弁では、若者のニート化を予防するため、新たに県内6カ所ある全ての若者サポートステーションが、県立高校に定期的に訪問して個別相談などを行うというふうなご答弁がありました。

在学中の若者に対して、学校と若者サポートステーションが連携した取り組みを進める予定という話がありましたが、実際に働くことに悩みを抱えている若者に対して、一人一人の状況に合った支援に取り組むには、さまざまな支援者がネットワークを組むことが重要であると思います。

そこで、改めて県民局長に伺います。

県の設置する若者サポートステーションはどのような支援機関とネットワークを組んで若者の職業的な自立に向けて支援を進めているか、伺います。

【県民局長答弁】若者サポートステーションがネットワークを組んでいるほかの支援機関についてお尋ねがありました。   若者サポートステーションでは、県立高校のほか、求職活動ではハローワーク、職場体験では福祉施設や地元企業など、さらに相談支援では市町村の相談窓口や国・県の専門相談機関などとネットワークを組みまして、働くことに悩みを抱えている若者の就労支援を進めているところでございます。

要望

それでは、何点か要望させていただきます。

ただいま、県民局長から、県の若者サポートステーションでは、ハローワークだとか、福祉施設、そして地元企業だとか、就労支援を進めていくということでありました。

来年度から、若者のニート化を防ぐ取り組みとして、学校と若者サポートステーションとの連携を進めるとのことでありましたけれども、実際に働くことに悩みを抱えている若者の支援について、今後は職業教育の専門機関である専修学校や各種学校との連携も視野に入れて、さらに取り組みを進めていただきたいというふうに思います。

次に、外国人観光客の誘致についてです。

今回は外国人観光客の誘致に関して2点質問させていただきました。どちらも、日本文化というものを外国人観光客にいかに楽しんでいただくかという視点に立っての質問でありました。

先日、私、テレビを見ておりましたらば、カメラで外国人が撮った変な日本というのをやっておりまして、それを見ておりましたらば、ドイツ人が服を着た犬を見て、それを写真に撮ったり、イナゴの佃煮を撮ったり、おみくじを結んでいるところとか、そういう写真が登場するわけでありましたけれども、おもしろいなと思ったのは、イナゴの佃煮を見て、なぜ日本にお寿司だとかラーメンだとか、おいしものがたくさんあるのに虫を食べるんだという、そういうふうな話も出ておりましたし、また、おみくじについては、なぜこんな紙切れ1枚で運勢を占うんだというような話もありました。

そういった外国人観光客の着眼点でしたけれども、日本人にはごく当たり前の習慣なわけですけれども、これが外国人には大変不思議なものとして映っているようでした。

私たち日本人が海外に旅行した際もそうだと思いますけれども、日本と外国の文化の違い、例えば食事や生活習慣の違いに驚き、感動し、非日常というものも覚え、それが海外旅行の楽しさにつながっていくと思うわけです。

外国人観光客の誘致に向けた今後の取り組みにおいては、単に県の観光資源をPRするだけではなく、こうした日本文化とのギャップを楽しんでいただくという視点を持ち、神奈川の魅力と日本文化の魅力というものをコラボレーションしたような外国人の関心を引く観光戦略に取り組んでいただきたいと思います。

次に、外国企業の誘致についてです。

先ほどもお話ししましたが、アップル社の件ですが、これまで拠点をアメリカに集中させてきたアップル社が初めて国外、それも横浜のみなとみらい地区に設けようとすることは、日本の部品メーカーとの共同開発が進む可能性があるなど、大変インパクトのある動きだと思います。

なぜ横浜を選んだのか、またみなとみらいを選んだのか、どのようなポテンシャルを見出したのか、そういう潜在的な企業ニーズが分析できないと、本県の今後の企業誘致に結びついていかないと感じます。

みなとみらいは、今、就業人口が9万3,000人、ちなみに西区の人口は9万7,000人です。来街者数は約7,200万人、年間でありますし、進出企業も1,720社、市税収入が146億円もあります。

そうした分析についても、先ほど知事の答弁にもありましたけれども、しっかりと分析していただいて、また、このアップルがほかに研究施設をこの神奈川県内にということも考えているかもしれませんので、ぜひそのところを分析していただきたいというふうに思います。

次に、地域防犯活動についてです。

本日は防犯活動団体の相互連携ということで質問させていただきましたが、地域では防犯のほか、福祉的な単身高齢者の見守り活動など、さまざまな活動を行っています。そうした防犯を含めたさまざまな地域活動の連携が進めば、地域のきずなはより一層育まれていくと思っております。そうした横断的な取り組みについてもよろしくお願いいたしたいと思います。

最後に、高齢者虐待防止対策についてです。

本県としては、全国最多という事実を、体制が整っている結果であるという捉え方だけで済まさずに、虐待そのものを減らしていく努力をしていかなければなりません。4月には介護報酬の改定が予定されていますけれども、報酬引き下げによるサービスの質の低下が起こらないようにすること、質の低下が虐待につながることのないようにすることを、施設に対する指導の中で徹底していただくようお願いいたします。

また、家庭における虐待に関してでありますが、愛する家族を虐待してしまうという事実は、虐待してしまった介護者にとっては、相当な罪悪感が伴うものと思います。介護者が追い詰められ、虐待に至らないようにするために、負担を軽減してあげられるような支援についても充実していくべきと考えます。

市町村が中心となって取り組む部分が多いかもしれませんけれども、県としても積極的に取り組むようお願いいたします。

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